東京新聞・言いたい放談  発信するということ(2013・10・23)

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東京新聞 「言いたい放談」 2013年10月23日(水) 朝刊放送芸能面に掲載

かつてNHKで、「エンデの遺言」という番組の共同監督をした。お金とは何か。根源から考える内容だった。お金の特質は劣化しないことだ。自然界のあらゆる事物は劣化するが、お金は腐らない。
例えば、お米でためても、収穫後は徐々に古くなるし、一年経てば古米となる。ネズミの害にもあうだろう。だから、昔の人は劣化する前にどんどん配って流通させた。それを当たり前のようにやっていた。自分だけがもうけて、ためようとしても尊敬されないし、無理があった。財産は退蔵すると無価値になるのが自然の断り。このことは昨今、「情報」について当てはまるのではないか、と最近つくづく思う。

新作のドキュメンタリー映画「小さき声のカノン」の撮影を始めて一年半が過ぎた。チェルノブイリの原発事故の被害を受けたベラルーシと、やはり原発事故の被害を受けた日本を行き来し、子供たちを被ばくから守る活動などを追っている。

撮影した素材の中から、今の日本の状況を判断するため必要と思われる情報を、映画の完成に先立って、動画のメールマガジンとしてネット配信している。「カマレポ」という。大事な情報をパスしたら、その人もまた誰かにパスしてくれるはず。そんな情報発信をこつこつ続けていきたいと思っている。

(映像作家)

次回掲載は、11月6日です。

どうぞお楽しみに!