小さき声のカノン―選択する人々

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放射性物質の放射線(高いエネルギーを持った電磁波や粒子線)を出す性質そのもの、またはその強さのこと。東京電力福島第一原発事故では、ヨウ素やセシウムやストロンチウムといった放射性物質が放出された。

放射線を外から浴びるのが外部被ばく。 放射性物質を身体の中に取り込んで身体の中で放射線を浴びるのが内部被ばくです。身体の外にあれば皮膚1枚で防げるような弱い放射線でも内臓のすぐそばでは危険なものになります。また外部被ばくは一過性ですが、内部被ばくは放射性物質がずっとそこにある限り同じ場所がより多く被ばくするという危険性もあります。

1986年4月26日の深夜、旧ソ連邦で起きた原発事故。約10日間放射性物質が放出され、ヨーロッパや北半球の国々にも放射能が微量ながら降り注いだ。のべ80万人の事故処理人と呼ばれる人々が大量の被ばくをしながら原子炉を閉じ込め、約2ヶ月後には石棺と呼ばれる遮蔽建屋が取り付けられた。

原子力を使い始めてから人類にとってどれだけの被ばくなら健康を損ねないか、という被ばくの基準値が課題になってきました。 ICRP(国際放射線防護委員会)をはじめとして世界では一般人は年間1ミリシーベルト以上被ばくすべきではないという共通理解があります。少なければ少ないほど良いと考えられています。

放射能汚染が高い土地に住んでいるチェルノブイリの子どもたちに、様々な病気が増えました。その病気の症状を緩和したり予防したりするため、ベラルーシでは、放射能汚染のない土地に行き、24日以上過ごすことが効果的であると実証されています。

被ばくすると放射線によって遺伝子が傷つけられたり、壊されたりします。また被ばくによって生じる活性酸素も身体にダメージを与えます。細胞分裂が活発な子どもたちは、特に放射線の影響を受けやすいのです。諸説ありますが、大人にくらべ、少なくとも5~20倍は、放射線の影響を受けやすいとされています。

自然界にある放射性物質に人類は適応してきました。しかし、人工的な 放射性物質(セシウムなど)には適応できていません。そのため、人工的な放射性物質が含まれている食品は、その値を計測し、なるべく数値が低いものを食べることが推奨されています。しかし、原発事故後、食品の安全基準値は引き上げられました。

体内に取り込まれた放射性セシウムから放出される放射線を、身体の外で計測し、内部被ばくの検査に用いられる機器。体内にどれだけの放射性セシウムがあるか、キログラムあたりの数値で計測することができます。

東京電力福島第一原発事故で放射性ヨウ素が大量に放出されました。放射性ヨウ素を体内に取り込むと甲状腺に濃縮され、より多く被ばくすることになり、場合によっては傷ついた細胞がガンになってしまいます。 子どもの甲状腺は大人より放射性ヨウ素を濃縮しやすく、チェルノブイリでも事故前に比べて約700倍も発症が増加しました。

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